税務調査なんて怖くない①

今の会計事務所に勤め始めて25年が経った。事務所は家内の実家で義兄が跡を継いでいるが、先代からのベテラン職員が2人続けて定年を迎えるというので私に声がかかった。36歳の時である。

退職する先輩職員2人の顧問先を4年かけて引き継いだ。大学の夜間公開講座に2年通って会計や税法の基礎を学んだが、実務は先輩職員に同行して実践の中で身につけた。

40歳を過ぎてから税理士試験を受け、会計科目は合格したが、簿記学校に通う時間も取れなくなり、税法科目を3年連続で落ちたので、資格取得は諦め、職員として四半世紀を過ごした。

その間、関与した法人、個人事業主は100者以上。税務調査も平均年2回として、50回は経験した。

初めの頃は税務調査が怖かった。税務調査の電話連絡がくると胃が痛くなった。しかし、定年を迎える先輩職員から「取って食われるわけじゃないから、そんなに怖がらなくても大丈夫だよ」と言われ、気が楽になった覚えがある。

そんな私も昨年60歳を迎えた。税務調査も怖くなくなった。調査にくる税務職員よりも私の方が年上で経験もあるからだ。調査立会料の臨時報酬が入るので、今では調査の電話連絡がくるのを歓迎している。

これからしばらく私の税務調査立会体験記を連載してみたい。

(プチ解説)

弁護士や税理士などの士業は資格を持った人しか事業を承継することはできません。
当事務所の先代創業者は一人で公認会計士、税理士、司法書士、社会保険労務士、中小企業診断士の資格を有し、幅広く業務を展開していましたが、他界したあとは義兄の税理士と私の中小企業診断士以外の業務はできなくなりました。今、所内には他に有資格者はいません。灯台もと暗し。当事務所も事業承継に苦慮しています。

執筆者紹介

【名前】
野口 義幸(のぐち よしゆき)

【取得資格等】
事業承継士、中小企業診断士、1級ファイナンシャルプランニング技能士

【自己紹介】
大手流通企業2社で、販売促進、営業、経営企画室長、総務課長を歴任。また、マネジメントゲームとパソコンを活用したセミナーの講師として延べ2,000人以上の経営管理者教育を実施。現在は都内の会計事務所に所属し、財務会計指導を中心に法人の経営コンサルティング、個人のライフプランニング等を行っている。また、ジャズドラマーとして定期的に都内のライブハウスに出演している。